第10章 天空闘技場
『1973番、2055番の方。Eのリングへどうぞ』
アナウンスが流れ、キルがゴンを見た。
「あ、オレだ!…う~、緊張してきた」
「ゴンなら大丈夫だよ。でも怪我しないでね」
「うん!」
ゴンがリングに向かおうとすると、キルが呼び止めた。
「ゴン、お前試しの門をクリアしたんだろ?」
「え?うん」
「ならもうさ、ただ思いっきり………」
「……………え?本当に?」
キルはゴンに何か囁くと、こちらに戻って意地の悪い顔を浮かべた。
「キル、ゴンに何アドバイスしたの?」
「ん?まぁ見てれば分かるよ」
そして、ゴンと倍くらいある男の人がリングに上がっていくのが見えた。
「ボウヤ、逃げるなら今だぜ!?遊びじゃねーんだよギャハハハハ!!!」
私はその言葉にムッとした。
「なにあの人」
「あいつ、分かってねぇな」
キルは周りと同じく爆笑している。
「それでは……始め!!」
「一発で楽にしてやるぜ!!」
試合開始と共に、男の人がゴンに向かって突進する。
するとゴンは、男の人のパンチを避けて勢いよく腕を突きだした。
ドン!!!…………ガシャァァアン!!!
なんと男の人の体はゴンに押し出され、観客席にぶっ飛んだのだ。
「なっ? 」
隣ではキルがにやっと笑った。