第9章 予期せぬ訪問者
「姉貴!! 早く来いよ!!」
私の前を足踏みするキル。私は微笑みながら足を動かした。
「姉貴の言う通りだったな!! まさか親父が許してくれるなんて思ってもみなかったぜ」
キルが上機嫌にそう言った。
意外だったのは私もだった。なんと、外室許可がでたのは、キルだけではなく私もだった。父様は私の頭をくしゃりと撫で、
「お前も行け」
と言ったのだ。
「姉貴!!!! 早くしねぇと、ゴトーが追い返しちまうかもしれねぇだろ!!」
キルはうずうずとして、飛び跳ねた。
「大丈夫。ゴトーはキルが嫌がる事はしないよ」
「はぁ?あいつ結構やってるぜ??」
「それって、父様と母様の命令でしょ? 基本的に、ゴトーはキルに甘いから」
んなことねぇよ…と言いながらも、そっぽを向くキル。私はそんな彼の手を掴み、走りだした。
ゴンたちがいる執事室まであと少しだ。