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ゾルディック家の愛され長女

第9章 予期せぬ訪問者


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カナリアの案内で、執事室に辿り着いたゴンたちは、
屋敷の外に5人の執事が待ち構えているのに気づいた。そして、真ん中の眼鏡の執事が前に出て、

「ゴン様、クラピカ様、レオリオ様でございますね?どうぞ、中へ」

と、お辞儀をしたのだ。

屋敷の中はとてもひろびろとした空間が広がっていた。

「先程は大変失礼いたしました。奥様から連絡があり、あなた方を正式な客人として迎えるよう申しつけられました」

目の前に座った眼鏡の執事がそう言った。

「心遣いは嬉しいが、オレ達はキルアとアルミに会うためにここに来たんだ。出来ればすぐにでも本邸に案内してもらいたいんだが」

レオリオの言葉に、眼鏡の執事…ゴトーは、

「キルア様もアルミ様もこっちに向かっておいでですので、心配ありません」

と言った。そして、眼鏡をくいっと上げると、

「…さて、ただ待つのは退屈で長く感じるもの。ゲームでもして時間を潰しませんか?」

と提案し、コインをピンッとはじいた。

パシッ!

そう音を立てて、ゴトーは握りしめた拳をゴンたちに差し出した。

「コインはどちらの手にというものです。簡単でしょう?では…」

今度は、目にも止まらぬ速さで腕を動かした。


「さぁどっち?」

「んー、自信薄だが……たぶん右…」

レオリオはそう言った。

「私は……お二人が生まれたときから知っている。せんえつながら、親にも似た感情を抱いている……」

雰囲気が変わり、急に語り出すゴトー。

「正直なところ……キルア様とアルミ様を奪おうとしているお前らが憎い」

どんどん殺気が重くなっていく…。そしてゴトーは叫んだ。

「さぁ、どっちだ?答えろ!!」

「左手だ」

クラピカが答えると、ゴトーはコインを持っていた手をひらく。

そこにはぐしゃぐしゃになったコインがあった。


「奥様は…消え入りそうな声だった。断腸の思いで送り出すのだろう。許せねぇ」

ギリッと奥歯を噛み締めるゴトー。その剣幕に3人は何も言えなかった。

「キルア様が来るまでに結論を出す。オレがオレのやり方でお前らを判断する。文句は言わせねぇ」

周りにいた執事二人が動いた。

一人はゴンたちにナイフを構え、もう一人がカナリアの首にナイフを当てた。


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