第9章 予期せぬ訪問者
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「まるで私達がキルをいじめてるみたいに……ただのクソ見習いのくせして失礼な」
倒れる少女にそう吐き捨て、女性はゴンの方を見た。
「あなたがゴンね、イルミから話は聞いています。3週間前位からあなた方が庭内にいることも、キルに言ってありますよ」
女性は言葉を続けた。
「キルからのメッセージをそのまま伝えましょう……
『来てくれてありがとう。すげーうれしいよ。でも……今は会えない。ごめんな』」
ゴンは黙ってそれを聞き、そして尋ねた。
「アルミさんは?」
「………………あの子は知りません。今は部屋に謹慎させていますから」
その言葉にレオリオがキレた。
「二人を監禁してるってことかよ!!」
しかし、そんなことものともしない女性は
「紹介が遅れましたね、私はキルアの母です。この子はカルト」
とレオリオの言葉を無視して、話を進めた。頭に血が上りそうになるレオリオをクラピカは制し、今度は彼が尋ねた。
「……キルアが私達に会えない理由は?」
「独房にいるからです。
キルは私を刺し、兄を刺し、姉を連れて家を飛び出しました。しかし反省し自ら戻って、今は自分の意思で独房に入ってます。アルミも同様です。ですから二人がいつそこから出てくるかは…………」
女性は急にフリーズした。そして、
「まぁあ!!お義父様ったら!!なんでジャマするの!?だめよ!まだつないでおかなくちゃ!!!」
急に取り乱し始めた。
「私は急用ができたので、これで。また遊びにいらしてね」
そして、その場から立ち去ろうとした。それをゴンが止めた。
「待ってください!」
「……何かしら?」
「オレ達あと10日間くらいこの街にいます。そうキルアくんとアルミさんに伝えてください」
「……分かりました、伝えておきましょう。それでは………」
女性はそう言って去っていった。