第9章 予期せぬ訪問者
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一方その頃ゴンたちは、屋敷を目指してひたすら山道を歩いていた。
そして、そこに立ちふさがったのは一人の少女だった。
バキッ!
ドカッ!
それから数時間経っても、ゴンは女の子に殴られるがままだった。
日も暮れてきた。
このまま殴られ続けるのか……そう思った矢先だった。殴っていたはずの少女が変化を見せたのだ。
「もう………やめてよ…。もう来ないで!!」
少女は、何度も向かってくるゴンに恐怖を感じたらしい。
「いい加減にして!無駄なの!分かるでしょ!」
「…君はミケとは違う。
どんなに感情を隠そうとしたって、ちゃんと心がある。キルアの名前を出したとき、一瞬だけど目が優しくなった。アルミのときは少し驚いていたけど嬉しそうだった」
その言葉を聞いた少女は、顔を悲しみに歪ませ、涙を流しながらこう言った。
「…お願い……キルア様と……アルミ様を…助けてあげて」
その時だった。
パァン!!
銃声の音が辺りをこだまし、気づけば少女の頭に、一発の銃弾が打ち込まれていた。
「使用人が何を言ってるのかしら」
森の奥から高い声が聞こえる。ゴンたちは、そちらへ戦闘態勢をとった。
そして、出てきたのは、着物を着た子供と、派手なドレスと、機械を頭につけた女性だった。