第8章 帰宅と秘密
次の日、目が覚めると部屋にヒソカの姿は見当たらなかった。
「……夢?」
あれは私が見た欲望だったのか……ふと、そう思ったが、水差しの横に置いてあった名刺によってそれは否定された。
「……………起きよっと」
私はゆっくりと起き上がった。すると丁度良いタイミングでノック音が聞こえた。
「おはようございますお嬢様。お客様です」
「…………お客様?」
…………私は部屋に謹慎中なはずだけど………
「はい。ゼノ様の古いご友人だそうで……」
それを聞いた瞬間、私は一人の人物が浮かび上がった。
「………分かった。すぐに支度をお願い」