第8章 帰宅と秘密
「邪魔しておる」
客間にいたのはやはりネテロさんだった。私は一礼した。
「何もそんな畏まらなくてもよいわい。……ふむ。いつ来てもここの茶は上手いな」
すっかりくつろいだ様子のネテロさん。私は思いっきり口を開いた。
「…………あの…何か御用ですか? 祖父は今仕事で家には………」
「これじゃよ」
ネテロさんは何かを手渡した。
「………これは……」
ハンターライセンス……そう書かれてあった。
「忘れ物じゃ」
「……忘れ物?」
一体誰の…そう聞かずとも、ネテロさんの微笑みで誰のか分かった。
「君は合格じゃよ。誰がなんと言ようが、君がなんと言ようがな」
私はそのハンターライセンスを見た。軽いはずなのに…ずっしりとした何かを感じた。
「皆が皆、君たちを案じておった。良い仲間を持ったものじゃ」
ネテロさんのズズっと茶を啜る音が聞こえ、私はネテロさんを見た。
「…………受け取れない…そう言っても無駄なのですね」
「そういうことじゃ」
この人は…はぁっとため息をついた。人の話を聞かないというレベルではない。
「……仲間……か」
そして、私はぼそっと呟いた。