第8章 帰宅と秘密
「アルちゃんはやっぱりなんでも似合うわ!!!!」
母様はそのあと、私を着せ替え人形にして、楽しんだ。日が傾く頃には、私はすっかり疲れてしまった。
「…………おかえり、姉様」
相変わらず綺麗な容姿でカルトは微笑んだ。カルトは黒い髪で着物がよく映える。
「うん。ただいま」
私はカルトの頭をそっと撫で、食堂へと向かった。
「おっ。家出少女が帰ってきたか」
食卓にはすでにイル兄とキル以外の全員が集まっていた。私はカルトの隣に座った。
「あいつ、すんげぇ生意気だぜ!!反省してねぇよ!!」
ミル兄は、キルへの愚痴を零した。……シャワーせっかく浴びさせたのになぁ。
「んだよその顔は!! ねぇパパ!!こいつも仕置部屋に行かせなくていいの!!」
じろりとこちらを睨むミル兄。私は父様を見た。
「…………キルアがアルミを無理矢理連れ出したそうだ。キルアがそう言っているんだから、する必要は無いだろう」
「けっ!! 」
………キル……お腹すいてないかな。
キルの体の丈夫さは知っているし、ミル兄の拷問術が彼にきかないことも分かっている。でも、あの仕置部屋は冷たいからなぁ。お腹壊さなきゃいいけど…
「アルミ」
「…はい」
「お前は部屋に謹慎だ」
「はい」
私は夕食もそこそこに席を立ち上がった。
「……姉様…」
カルトが大きい目を私に向けた。瞳が少し揺れたように見えた。
「部屋にいつでも遊びにおいで。待ってるから」
そう言うと、少し笑った。