第7章 最終試験と私の運命
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バンッ!!
講習の最中に、後ろの扉が勢いよく開いた。そこにいたのは、腕にギプスをつけたゴンだった。普段と違うのは、温厚な彼が怒りを露わにしているところだろう。
ゴンはそのまま通り抜け、イルミのところまで歩いていき、
「ふたりにあやまれ」
そう怒鳴った。イルミは首を傾げた。
「あやまる…?何を?」
「そんなこともわからないの?」
「うん。というか、ふたりって誰?もしかしてキルとアルのこと?オレが謝る要素全くないと思うんだけど」
顔色も変えず淡々と言うイルミ。ゴンは拳を握りしめ、睨みつけた。
「お前に兄貴の資格ない!!」
「?兄弟に資格がいるのかな?」
その瞬間、ゴンがイルミの腕を掴み、思いっきり振り上げた。
「友達になるのにだって資格なんていらない!!」
ゴンは自分が気絶していたことに心底腹を立てた様子だった。
「キルアとアルミならもう一度受験すれば、絶対合格できる。今回落ちたことは残念だけど仕方ない………。
それより、もしもふたりに、望んでいないことを強制させていたのなら………お前を許さない」
「許さない、か。…で、どうする?」
「どうもしないよ。お前達からキルアとアルミを連れ戻して、もう会わせないようにするだけだ」
ゴンがここまで言い切って、イルミはゴンに手を伸ばした………が、ゴンは何かを感じ取り、イルミから離れた。
「さて、諸君。よろしいかな?」
ネテロさんが、二人に声をかけ、説明は再び始まった。