第7章 最終試験と私の運命
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「あいつは自分の役割も忘れ、お前を惑わせた。今回の責任はあいつにある」
「ち…違う!! 姉貴は関係ない!! 俺が姉貴を連れ出したんだ!!」
「違うね。あいつはお前に友達が出来ればいい…そう思っていた。この試験中のあいつの行動を見ていればわかるよ。あいつも殺す」
姉貴が……死ぬ?俺のせいで…死ぬ………
「お前、あいつの兄じゃねぇのかよ!!」
叫ぶレオリオにイルタミはキッパリと言った。
「違うね。あいつはただの人形。母親の庇護愛のため、そして愛でられるためだけにある観賞用の人形だ。そんな人形が、勝手な行動して、キルを惑わすなんてあってはいけないんだよ」
「……てめぇ」
……兄貴は本気だ。こいつは家のためなら誰だって躊躇わない。俺が戦わなかったら、ゴンもアル姉も……死ぬ。だけど……イルミと戦うなんて………
「キルア!! そんなくそ兄貴やってしまえ!!!!」
そして、イルミの手が触れそうになったその瞬間、俺は耐えきれなくなった。もう無理だ。気づけば口が勝手に動いていた。
「……まいった。オレの……負けだよ」