第7章 最終試験と私の運命
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「無理だね、お前に友達なんて出来っこないよ」
イルミは冷たく返した。俺はさらに握る力を強めた。段々と圧が重くなっていく。
「ゴンと友達になりたいだと!?寝ぼけんな!とっくにお前らダチ同士だろーがよ!少なくともゴンはそう思ってるはずだぜ!!」
レオリオの叫ぶ声が耳の中に入ったが、恐怖の方が勝ってきた。体の震えだって、汗だって…止まらない。
「え?そうなの?」
「たりめーだバーカ!!」
「そうか、まいったな。あっちはもう友達のつもりなのか……………よし、ゴンを殺そう」
俺はハッと顔を上げた。
「何言ってんだてめぇ!!」
イルミは針で審判にゴンの居場所を聞き出し、出口まで歩き出した。
ゴンが………ゴンが殺される……?止めなくちゃ……でも…足が動かない…。
見ると、クラピカ、レオリオやハンゾーがドアの前に立ち塞がった。…あいつらはできるのに……俺は…友達のために体を張ることさえできない……
イルミはまいったなぁと考えこんでから、
「うーん……そうだ!まず合格してから、ゴンを殺そう!」
そう言うと、イルミはこちらにゆっくりと腕を伸ばしてきた。
「止める方法はひとつだけ、分かるな?だが…忘れるな、お前がオレと戦わなければ大事なゴンが死ぬことになるよ」
俺は動けないまま、イルミを見つめることしかできない。
「やっちまえキルア!!どっちにしろお前もゴンも殺させやしねえ!ゴンにはアルミが付いてる!!そいつは何があっても俺達が止める!!お前のやりたいようにしろ!」
「あぁ…。じゃあ、ついでにアルミも殺そう」
「なっ!? なんだとてめぇ!! 」
体が強ばるのが分かる。イルミは言葉を続けた。