第7章 最終試験と私の運命
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「それにしても奇遇だね。まさかキルがハンターになりたいと思ってたなんてね。実はオレも次の仕事の関係上、資格を取りたくてさ」
「…別になりたかった訳じゃない。ただなんとなく受けてみただけさ」
俺は震える声を抑えながら威勢を張った。イルミは相変わらず表情が変わらない…。
「…そうか安心したよ、心置きなく忠告できる………お前はハンターには向かないよ。お前の天職は殺し屋なんだから」
ズシッ…。重い何かが俺を押し付けるような気がした。息を吸うことも辛くなる…。
「影を糧に動くお前が唯一歓びを抱くのは、人の死に触れたとき。お前は親父とオレにそう育てられた。そんなお前がなにを求めてハンターになるっていうだい?」
俺は下を向き、唇を噛んだ。もうイルミに怯える俺じゃない!!
「…確かに、ハンターになりたいと思ってる訳じゃない。だけどオレにだって欲しいものくらいある」
「ないね」
きっぱりと言い切るイルミに俺は顔を上げた。
「ある!今望んでることだってある!」
今……というより昔から欲しかったもの。アル姉は……多分気づいてた。だがら、俺の我儘にも付き合ってくれてたのだ。
「ふーん、言ってごらん。何が望みか」
俺は両手を握りしめた。
「ゴンと……友達になりたい」
そう言った。