• テキストサイズ

ゾルディック家の愛され長女

第7章 最終試験と私の運命


───

その後、姉貴はゴンにつきっきりで戻ってこないまま、第三、第四、第五、第六試合は順調に進んで行われていった。その間、俺はゴンのことと姉貴のことがグルグルと回っていた。

「第7試合、キルア対ギタラクル!」

「おっしゃ!!キルア、頑張ってこいよ!!!!」

「いわれなくても分かってるって」

楽な試合。そう思っていた。そして、試合が始まったとたん、


「久しぶりだね、キル」

針男は、顔の針を抜きはじめ、顔が段々歪に変わっていく。嫌な予感がし、それは確信へと変わった。

針男は、黒い髪に痩せ型、そして何も映していない黒い目……一番上の兄…イルミとなった。

「……兄貴…!!」

「や」

顔から血の気が引き、全身が震え出すのが分かった。

「キルアの兄貴……!?」

そんななか、ギタラクル改めてイルミは続けた。

「母さんとミルキを刺して、アルミまで連れていったんだって?」

「…まぁね」

「母さん泣いてたよ」

「そりゃそうだろうな、息子にそんなひでーめにあわされちゃ…」

レオリオがボソッと言うのが聞こえた。……そんなわけねぇじゃん。あの家は、お前が思っているよりも狂ってんだよ。

「感激してた。『あの子が立派に成長してくれてうれしい』ってさ。『姉を攫ってこの家のセキュリティを突破するなんて、まるで王子様みたい』。あの人の考えていることはよくわかんないね」

一言一言話す度、ビリっとした何かをイルミから感じるのがわかった。今すぐここから逃げ出したい……そんな思いを必死で抑え、俺はイルミを睨んだ。
/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp