第7章 最終試験と私の運命
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「……………するわけないじゃん」
ゾワッ
姉貴がハンゾーに向かって、最後にそう言い捨てたとき、俺は鳥肌が立った。
「………………殺気だったな」
「……だな」
横のふたりも姉貴の豹変ぶりにとても驚いていた。だが、俺はその倍驚いていた。何よりあの殺気…あれはとても冷たくて、重い…鋭く突き刺すような禍々しいものだった。俺は震えた。あの優しい姉貴が……と。
「………あれをアルミに向けられた日には……立ち直れなくなりそうだ」
クラピカが呟いた。
「………俺もだ。って、好意を抱いていたあいつは更に立ち直れねぇだろ」
レオリオはハゲを指さした。ハゲは震えている。………漏らしたとかやめてくれよほんと。
「アルミが怒ったところなんて初めて見たな」
「……オレも初めて見たな。姉貴のあんな怒るとこ」
…………ゴンのことになるとあんなに怒るのか……。俺は昨日の姉貴との会話が頭に浮かんだ。
「……俺よりゴンがいいって言うのかよ」
呟いた言葉は誰の耳に入ることなく、消えていった。