第7章 memories
だから、別れることにした。
彼女のことはもちろん好きだけど
きっと僕は彼氏の立ち位置じゃないんだ。
彼氏にはもっと相応しい人がいる。
別れを告げた時、彼女は泣いてた。
その涙は嘘じゃなかった。
きっと彼女は本当に僕なんかのことを好きになってくれてたんだ。
でも、椿さんはもっと自覚すべきだ。
自分の心の中で最も存在の大きい人が誰なのか。
気づかないだけだと思う。
僕が貴女の彼氏になったところで
貴女の心の中にいる人物を超えることはできない。
なぜなら彼が貴女にとって1番の存在だから。
……泣かしちゃったな。
約束したのに。