第7章 memories
そんな浮かれ気分な私が嫌になって
その時のことは勘違いで終わらせた。
だってクロの想いを決めつけるのに
そんな小さな事じゃ無理でしょ?
クロに告白されて正直驚いた。
え?クロが?私を?
いつから?
あの時は?
って思ってた。
その後すぐに今の立場を思い出して
断った。
私は裕太くんが好き。
クロの告白を断るのは辛い。
でも、今私が好きなのは裕太くんだから。
悲しくて悲しくて泣きそうだった。
でもあんまり泣いてばかりな
弱いとこを見せたくなくて我慢した。
その努力は一瞬にして砕かれた。
クロに優しく頭を撫でられて
まるでボタンを押されたみたいに
撫でられた瞬間どんどん涙が出てきた。
やめてよ。
せっかく我慢してたのに。
泣きじゃくったその時に安心していたのは何でだろう。
私の泣きたい感情に反して心が落ち着いていく。
頭を撫でたクロの手がすごく暖かかった。