第6章 clover
俺にも好きな人ができた。
その人は、明るくて、話しやすくて、
でもどこか抜けていて天然な人。
だから、放って置けない。
その人を好きだと気付いた時のことは覚えてない。
毎日、少しずつ、少しずつ彼女に惹かれていった。
俺は基本感情を表に出すタイプではない。
もし、思ったことがあっても
俺に関係なかったら口には出さない。
以前、木兎さんに一度だけ言われたことがある。
「本当に伝えたい事とか欲しいものがある時は言わなきゃダメだ!!」
確かにその通りだ。
その時は聞き流していたけど今になって
よくよく考えさせられる。
つい先日俺の好きな人が他の男に告白されたらしい。
彼女にその気はなさそうだが、まだ分からない。
好きでもないが、嫌いでもない。
と言うことは付き合ってしまう可能性もある訳で。
近々、彼女に伝えようかと思う。
手遅れなんて事になる前に。
どうやって伝えようかと考えるが、
俺らしくないと思い却下。の繰り返し。
どうすればいいだろう。