第1章 cloudy
部活終わりに、部室で着替えてると
いきなり研磨が聞いてくるから正直驚いたが
俺は研磨に話し始めた。
「俺、クラスの奴に言われたんだ。」
(おい、クロー最近お前、椿と仲よすぎじゃねーの?)
(まじかよ、浮気か〜?)
(あ、もしかして椿ってクロのこと狙ってたりして‥)
(確かに!それありえるな!)
(とにかく彼女大事にしろよー彼女が悲しむだろ!)
そう言ったクラスの奴は笑いながらそんな冗談を言ってきた。
でも、最初に言われたことは冗談じゃなかった。
確かに椿とは、仲が良い。
でもそんな風に思われるまでだったなんて思ってなかった。
中学からずっと仲良かったから、
親友みたいなもんだと思ってた。
彼女が悲しむ‥か、
確かにな、それで喧嘩にはなりたくねえな。
俺にはあいつしかいねえ。
どんなに疲れてもどんなに嫌なことがあっても
あいつの笑った顔見るだけで
全部忘れちまうくらい。
俺が好きなのはあいつだ。
他の誰でもない。
だから、俺はこれからもずっと一緒に居れたらって思ってる。
俺があいつを幸せにしてやりたい。
「____________ 。だから、自分勝手だけど椿と距離を置こうと思って。」
研磨には全部話した。
その時言われたことから、思ったことまで、
どうせ隠しても、研磨にはバレそうだからな。
「‥‥」
研磨は何も言わなかった。
そして俺たちは着替え終わり帰り支度をした。
部室を出ると同時に
研磨は椿と、ゲームを買いに行くと言って先に帰った。
その言葉の中にある嘘がすぐに分かった。
研磨は椿を心配して一緒に帰るだろう。
今の俺は椿のそばに居てはいけない気がした。
だから、いつもとは別の道で1人、家に帰った。