第1章 cloudy
「椿。」
「なに?」
「‥‥。」
いま、椿にさっきのことを言うべきか迷ってる。
言えば、きっと椿は傷つく。
面倒なことは嫌いだけど、
このままクロと椿がこんな雰囲気なのはやだ。
「ねえ、椿。クロのこと好き?男として。」
「え‥‥」
「‥‥うん。好き‥‥。」
椿は、彼女いるから失恋なんだけどね!と言って笑ってた。
でも、心から笑ってないことは誰が見ても分かる。
「あ‥あのさ。研磨なら話していいかなって思う。だから聞いてくれる?」
少し時間が経ってから椿は遠慮がちに聞いてきた。
きっと話すべきか考えてたんだと思う。
わざわざ返信はしない。その代わりに、1回だけ頷いた。
それを見て椿は、話し始めた。
クロへの想いを。