第3章 rainy
それは突然だった。
あまりにもいきなりで正直驚いた。
こんな感覚は初めてで嬉しいと同時に自分の嫌な部分を見た。
「岩ちゃん!!」
「ん?どうした。」
椿は走ってきた。だから疲れてしまったらしい。
理由を聞くと、
「あのね!今時間ある⁉︎」
「お、おう。」
「これ!呼んで!!で、早く返事返してあげて!」
そう言って渡された一通の手紙。
それはいわゆる…
ラブレター
なんで椿が⁉︎と思ったが、
よくよく思い返してみれば、
「早く返事返してあげて!」
あげて?ってことは違う誰からのものだとわかった。
中身を読んだ。
でも、内容なんて全然覚えてない。
それよりも、椿にこの手紙を渡されたのショックだった。
俺のことなんとも思ってないんだな。
なぜそんなことを考えたのか、よくわからない。
でも、その疑問と同時に
椿の笑った顔、怒った顔、悲しそうな顔。
いろんな表情を思い出した。
それでようやく気づいた。
本当に一瞬のことだった。
俺が椿のことを好きだと気付いたのは。
及川がチョコをもらった時、あのモヤモヤした気持ちは嫉妬でそれは俺がそのときからもう椿のことが好きだったからだ。
及川は、
あいつは椿のことどう思ってるだろうか。
あいつも俺と同じなら、俺はどうしたらいい。