第3章 rainy
俺は最近気づいたことがある。
それは
岩ちゃんが椿ちゃんを好きだということ。
でも岩ちゃんの性格からしてまだ気づいてないと思う。
自分の気持ちに。
俺がそう思い始めたのは3日くらい前から。
岩ちゃんは椿ちゃんを見ることが多くなった。
上手くは説明できないけど、
なんていうか、こう、知らない間に見つめてる。みたいな‥
最初は俺の気のせいかと思ったけど、
昨日気付いた。
それは気のせいなんかじゃない。
岩ちゃんは椿ちゃんからチョコをもらった時、
すごく嬉しそうだった。
それをなんで知ってるかって言うと俺も椿ちゃんが好きだから。気になって、つい見てしまう。
俺が椿ちゃんからチョコをもらった時
それを岩ちゃんが見てた。
少し曇った表情で、
最初は岩ちゃんも椿ちゃんからチョコ貰ったじゃん。って思ってたけど
そういうことじゃないんだよね。
俺だってそうだもん。
悪く言えば嫉妬。
良く言えばヤキモチ。
きっと俺が椿ちゃんからチョコを貰ってるのを見てヤキモチを焼いたんだ。
その証拠に昨日の帰りだって
ずっと不機嫌だった。
俺と椿ちゃんがよく喋れば喋るほど。
あーあ、ついに岩ちゃんも椿ちゃんの魅力に気づいちゃったかー。
岩ちゃんが気づく前に俺が椿ちゃんを貰っておきたかったんだけどなー。
でも、仕方ない。
それだけ彼女が魅力的なんだから。
岩ちゃん。
俺、岩ちゃんが相手でも負けないからね。
きっと椿ちゃんを1番好きなのは俺だから。