第9章 color
"明後日空いてますか?"
勉強に一区切り付いて開いたlineには灰羽くんからのメッセージがあった。
あと1週間で夏休みが終わる。
今年は何も夏らしいこと無しに終わっちゃったなーって思ってた。
だからオッケーしてしまった。
本当に後悔。
灰羽くんに会ってから後悔しかしてないような気がする。
浅はかな自分に呆れるほど。
私服でいいから学校に来て欲しいとのことだった。
集合時間は夜7時。
肝試しでもするのかな。
だったら全力で逃げよう。
当日はラフな格好で向かった。
肝試しでも走って逃げれるように、、、
学校に行くともう灰羽くんは待っていて
少し申し訳なさを感じながら
急ぎ足で向かった。
灰羽くんもラフな格好だった
Tシャツに細身のジーンズ
これ以上ないくらいラフなのに
それすら着こなす彼を尊敬した。
洋服ばかりに目を向けていたから
改めて彼の顔をみて
待った?
って聞いたら
彼はキョトンとした顔で私を見つめ返してきた。
待ってないですよ!
さっき来たばっかです!!
そう言って笑う彼
かっこいい
ふと思い、気づいた。
貴方の笑顔を見るほど
自分の顔が赤くなる。
鏡を見なくても分かるくらい
自分の顔は熱かった。
きっとこれは
夏の暑さのせいじゃない。
……認めざる終えない。
気づいた
やっと…
見つめ合って数秒後、
彼の顔が色とりどりの光に照らされた。
振り返ると
そこには何発も打ち上げられた花火があった。
綺麗だった。
「もう夏休み終わるから、どうしても先輩と見たくて」
もう一度彼の方を振り返れば
照れ臭そうに笑う貴方。
今まで意地を張っていたのが馬鹿みたい。
認めれば
認めてしまえば
こんなに幸せなのに
ああ、もう何でもいいや。
8月
ある夜の日に
こんなにも素敵な思い出が
高校生活最後の夏に出来ました。