第9章 color
彼を好きになってから
自分の気持ちを認めてから
私はドキドキしっぱなしです。
委員会で会っても
購買とかですれ違っても
それだけでドキドキしてしまう。
彼が笑いかけてくれようものなら
私は即赤面で、
年上ながらに恥ずかしい話だけど…
でも、ドキドキしてばかりもいられない。
私は彼に恋愛相談されている。
今までなら絶対に聞かないけど
今日は自分から話を振ってみる
「あれから好きな子、映画には誘ったの?」
「……え!?
……誘ってません。」
「へー。そーなんだ。」
「ちょっ、酷くないですか⁉︎先輩の方から話題振ったのに反応薄すぎません⁉︎」
「そんなことないよ。」
本当のところ実は嬉しかったりするものです。
最初は面倒だと思ってた恋愛相談。
最近では私の方が乗り気になってて
彼の恋愛状況を知りたくて
正直言うとね、もし好きな子と既にデートに行きましたなんて言われたらショック受けちゃうとこだったけど
それでも知りたかった。
あの夏の夜に私を誘ってくれた彼。
一緒に花火を見ただけで、
自意識過剰になってる自分が嫌い。
もしかして、灰羽くんの好きな子って…
とか思ったりする。
恋って怖い。
でも、あとあと自分が傷つかないように
そんな訳ないって必死に自分に言い聞かせる。
やっぱり恋は難しい。