第9章 color
先輩!先輩!!
って今日も私につきまとう。
昼休みになったばっかりなのに
急いで委員会の方へ来る。
普通は皆サボったりするのになー。
いつもなら鬱陶しいと思うはずなのに、
満更でもない自分がいる。
でも、彼に優しくするわけじゃない。
いつも通りに一言。
「なに?」
それだけ。
「昨日、部活で夜久さんに褒められたんですよ!!!」
「……本当に?」
「いや、ちょっと話盛りましたけど…。
でも、レシーブマシになってきたって!」
「……へー。」
それは本当に褒められているんだろうか。。。
そのあと
彼は黙ってしまった。
2分ほど沈黙が続いた。
たった2分。でも、いつも話題をふってくる彼が?と思うと、信じられないくらい長い時間に感じた。
ようやく何か話したかと思うと、
彼が言ったことは
私の予想しなかった事だった。
「………俺、好きな人がいるんです。
相談乗ってもらえませんか?」
思わず頷いた。
あーあ。
断っとけば良かった。
人の恋愛なんて口出すもんじゃないし
関わるとろくなことない。
「で、私は何したらいいの。」
「えっと……あ!デート!!どこに誘えばいいですか⁉︎」
「デート?……よくわかんないけど、映画館とかでいいんじゃない?」
「映画館ですね!?了解です!!」
再びの沈黙。
「ねえ、ホントに好きな人いるの?」
「え?急に何ですか⁉︎」
「いや、なんか本気で相談してるように見えないから。」
「い、いますよ!!!」
「あっそ。」
タイミングが良いのか悪いのか
昼休み終了の鐘がなる。
取り敢えずこの話題は保留かな。。。