第9章 color
河野先輩!
河野先輩!
そう言ってありったけの笑顔でこっちに来る彼は
相変わらず身長が大きくて毎度毎度ビビる。
でも、そんな人懐っこい所も彼のいいところだなーなんて思う。
私も彼みたいにできたらいいのに…
私はなかなか素直になれなくて、
無表情だったり反応が薄かったりする。
だから、親友!って呼べる子はいなくて
クラスでもなんとなく皆んなに馴染む感じ。
でも、最近私でも素直になれる人を見つけた。
灰羽リエーフ
彼があまりにも素直だから、
眩しいから、
つられて私まで笑顔になったり、
彼のせいで怒ったり、
表情豊かになった気がする。
別にいつもポーカーフェイスって訳じゃないけどね。
友達とキャピキャピするのが苦手だった私は
図書室で係の仕事をすることは嫌じゃなかった。
むしろ一人でゆっくりできると思ったら楽な気がした。
私の髪は真っ黒な黒髪で
毛先は切りそろえられていて
肌も血色が悪いのかと思うほど白くて
まるでわたしだけモノトーンの世界にいるみたいだった。
だからかもしれない。
私が貴方に惹かれるのは。