第1章 cloudy
さすがに気まずいな。
なんでこんな時に研磨のやつ風邪なんかひくんだ?
研磨が居てくれたら
少しはこの緊張感が和らいだのかもしれない。
全く、バレー部の主将がこんなんじゃダメだな。
いつから俺こんな頼りなくなったんだか‥‥ 。
ほんとため息をつきたくなる。
でも、いくら気まずくても
一方的に俺が距離置きたがっただけで、
俺が原因を作ったようなもんだ。
でも、先に帰ろうとは思わなかった。
小さいプライドが邪魔して
このまま1人で帰るのは情けない。なんて考えてる。
それにしてもさっきから一言も話してない。
何か言わなくちゃいけねえと思ったけど
何を話したらいいか分からねえ。
何か話そうと口を開いた。
「俺、結構かまってちゃんになってるだろ?バレー部の主将としてこんなんじゃいけねえと思ってよ。だからそれ直そうと思ってさ。椿のこと嫌ってるわけじゃねえんだ。悪かったな。」
‥‥‥ 。
後悔先に立たずとはよく言ったもんだよな‥。
何か言おうとは思ってたが
こんなにベラベラと言うつもりはなかった。
椿は相当驚いたんだろうな。
全く瞬きしてねえ。
‥‥でも、まあ、これで良かったのかもしれない。
実際、俺だって気まずいままは嫌だ。
「‥‥そっか!嫌われてるんだと思った。」
椿はそう言って笑ってた。
正直ホッとした。
前を向こうと視線を外しかけた時
どこかその笑顔が切なく微笑んだように見えたのは
ただの気のせいだと思う。
気になって確認したくても、
また椿の方を向くことができなかった。
ただ前を見て歩くことしかできなかった。