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【HQ】虹色の青春

第1章 cloudy








‥‥気まずい。


こんなに気まずいことが今まであっただろうか。




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部活が終わった。
ついにこの時間が来てしまった‥

今日は
研磨が学校を休んだらしい。

休んだ理由は風邪で
昨日バレー部の一年の犬岡が
その病原菌を無意識に持ち込み
研磨に移した。

バカは風邪を引かないんじゃなくて
風邪を引いたことに気付かないのだ。
ということが証明されたのだ。





仕方がないことだけど!
仕方がないことだけどね!
でも!
やっぱり気まずい!



この間は研磨がクロに
先に帰っててって言ってくれたらしいけど!





あー!どうかクロが先に帰っててくれていますように!!



祈るような気持ちで校門に向かう。






















‥‥‥いた。


背が高くて、
若干の猫背。
頑固な寝癖がついた髪。



見間違えることなんてない。

好きな人の後ろ姿を見間違えはずがない。


その後ろ姿を見て
嬉しいって思う自分がいて、
ああ、そっか、帰ってて欲しいと思いながら
待っていて欲しいと期待していた自分がいたんだ。



どうやったらこの想いを消せるんだろう。
いっそ、無くなっちゃえばいいのに。





そんなことを考えていると
私がいることに気付いたのか、
クロが振り返った。



「帰るぞ。」


その一言が、
嬉しくて、
悲しくて、
切なくて、


いろんな感情が混ざった気持ちを抱えながら、


「うん!」




歩けば歩くほどこないだのことを思い出して
気まずいさが増してくる。



何を言えばいいのか、
何を話すべきなのか、
分からない。





‥‥気まずい。

こんなに気まずいことが今まであっただろうか。


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