第7章 memories
あの3日ぐらい後に椿がアップルパイを作ってくれた。
研磨は目を輝かせ黙々と食べていた。
3人でこうやって過ごすのは久しぶりだったが、
相変わらず居心地が良かった。
その後、どうでもいいような話題で…
あー。目玉焼きに何をかけるか
って話題で対立がおきて椿と俺が言い争ってるところを研磨に写真を撮られた。
全く、こんなくだらない所を思い出に残してどうすんだ…
それからまた月日は経ち
そろそろ椿の心の傷も癒えたことだろうと思い
どうやって告白しようか考える。
俺様っぽくいくか?
ジェントルマンみたいに手を取って?
無いな。
全部キモいの一言で片付けられちまう。
その光景は想像に容易く、
考えるだけで泣けてくる。
「なにぼーっとしてんの?」
「ん?ああ、考え事デース。」
「ふぅーん。」
そう、今俺は
研磨の家で椿と3人で遊んでる。
椿はあるゲームの攻略方法を聞きに、
俺は…なんとなくいる。
ゲームにひと段落ついた研磨が
「……トイレ…。」
よっこいしょっ。とめんどくさそうに部屋をでた。
「「…………」」
無言の時間ができる。
全く嫌な雰囲気では無い。
「なあ、椿。」
「んー?なーにー?」
ゲームをしながら耳を傾ける椿。
最初は単に構って欲しいだけだったんだケド…
俺の方を見て欲しくて、
つい。
「俺と付き合ってほしい。…お前が好きだ。」
「………。」
無言になり静かにこちらを向く。
驚いてんのか?
その顔は次第に赤くなり、
「は?え?な、何言ってんの?」
「…椿チャンが好きって言ったンデスケド?」
「う…え…」
ますます顔を赤くする。
あー、どんどんいじめたくなる。
「……私もクロが好き。」
俯いて小さな声で言う。
ってことは抱きしめてもオーケー?
俯いてる椿を抱きしめた。
茹でダコみたいになってて面白い。
お互いに心臓の音が聴こえて
一層、俺も、お前も、頬を染める。
ピコン。