第1章 三つ巴・逆ハー系など。/長篇もの
土方・沖田オチ。(現代パロ)①
「雪乃、この書類ミス、多すぎだ。」
「えっ!?本当ですか…?」
土方に呼び止められた雪乃は相手のほうへと向かう。
片手に書類、片手に煙草、という状態で土方は書類を相手に見せた。
すると、明らかに計算が狂っている場所が多々ある。
「今日は残業していけ。確か、総悟も居たはずだ。」
「総悟…あ、沖田さんですか。」
もう一人自分以外にも居て少し安心する。
雪乃は、書類を手に自分の持ち場へと戻った。
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「終わらないー…」
雪乃は溜息をつき、机に突伏した。
計算が苦手である雪乃は、やってもやってもきりが無い書類を横目で睨む。
すると、先ほどまで何も言わなかった沖田がふいに、
「其れ、手伝いやしょうか?」
とやってくる。
雪乃は、ぱぁと顔を輝かせ、
「良いんですか?」
と訊く。沖田は
「何時までもうなって居ちゃ困りやすからねぃ。ほら、貸しなせぇ。」
と、書類の計算を始める。先ほどまで山積みだった書類がどんどん減り…無くなってしまった。
「すごい…有難うございます!!」
「礼はいらねぇ。此れを後は土方さんのところに持って行きゃ良いんですねぃ?」
と書類をとんとん、と整えた沖田は立ち上がる。
そして、思い出したように相手のほうへと振り向き、
『やっぱりさっきの無しで。計算した分…やっぱり、御礼はしてもらいやしょうかねぃ…?』
と、真っ黒い笑みで言って、扉を閉めた。