第1章 三つ巴・逆ハー系など。/長篇もの
続き。
「じゃぁ、御前も俺が言ってるときにかぶせんな。」
「んだと、コルァ!」
そういってギャーギャーと騒ぎ始める。
すると雪乃が其れを止めるように言った。
「あの、私はここを辞めるつもりはありません。ですが、二人がこれからも此処に来てくれるなら嬉しいです。」
にこ、と笑えば別の客の注文を聞きに去っていった。
二人は顔を見合わせていった。
「「…ぜってぇ、てめぇより先にあいつを落とすからな!」」
-ガラガラ、ピシャン。
扉が音を立てて閉まり、二人が帰る。
其れとほぼ同時に沖田が入ってきた。
「あれ、雪乃さんじゃねぇですかぃ。久しぶりでさぁ。」
「あら、沖田さん。久しぶりですね。」
クス、と笑い合えば、
「今しがた土方さんと万事屋の旦那が出てて行きやしたが、あの二人も来てたんですかぃ。」
「はい、なんかあの二人私を落とすとか言ってたんですよね。お酒飲みながら。」
そういい、雪乃は不適に笑った。
「でも、そう簡単には落ちませんよ。私は。あの二人のやり取りを見るのが楽しいだけなので。」
「…やっぱり姐御にはかないやせんねぇ。ドSに関しては。」
そういってこのドSコンビは笑うのだった。
二人がこの女性を手玉に取るのは、後何年後やら…