第1章 三つ巴・逆ハー系など。/長篇もの
銀時&土方。
雪が降り始めた江戸。白く息を吐きながら、土方と銀時は居酒屋へと歩いていた。
二人は別々の方向、別々の目的で歩いていた。
だが、思考が似通った二人は其の居酒屋で鉢合わせ。
其処で、二人は居酒屋の新人のバイトと出会う。
「「なんでてめぇが此処に居んだよ。」」
二人は声を合わせてにらみ合う。それもそうだ。犬猿の中であり、其れで居て思考の似ている二人が会う確率はとても高い。しばらくにらみ合っていると、肩に誰かの手が置かれた。
「喧嘩もその辺にしてください。お客さん怖がっちゃいますから。」
そういってにっこりと笑う女性が居た。
「…誰だ、てめぇ。」
「ちょっと土方君。行き成り其れは無いでしょ。…見かけねぇ顔だな。新人?」
「はい、今日からバイトに入った雪乃です。和泉雪乃。」
そういって雪乃は笑った。
このとき、土方と銀時は同時に同じ言葉を頭に浮かべた。
((天使だ。))
其のぐらい彼女は美しかったのである。
と、土方が雪乃に咳払いをしていった。
「おめぇ、新撰組の屯所にこねぇか?俺は其処の副長で…」
といいかけて銀時が口を挟む。
「御前さ、万事屋で働かねぇ?俺は其処のオーナーで、」
「おい、俺が言ってたんだが?」
「そっちこそ。」