第2章 短篇~中篇くらいのもの/本編パロ
「あー、やっぱり降ってきちゃった…」
そういって雪乃は縁側から空を見上げた。
今日は、みんな任務で出かけているため、ずっと一人で居たのだが、空を見上げているうちに少しずつ曇ってきたのである。
そして、
-雨が降ってきた。
「大丈夫かな、みんな…」
と呟けばがらがら、と音を立てて、扉が開いた音がした。みんなが帰ってくる音がした。立ち上がって玄関へと歩いていこうとするとふすまが開いた。
其処には、びしょぬれの土方が居た。
*
「大丈夫、ですか?」
「あぁ、…犯人捕まえたとたん行き成り降ってきたからさすがに驚いたけどな。」
と土方はタオルを片手に髪を拭いていた。そのままいつもの黒い着物に着替えれば、煙草を吸う。
「風邪、ひかれたら困りますから。」
「あぁ、悪い。有難うな。」
そういってタオルを返せば、土方が雪乃に後ろから抱き着いてきた。
「ちょ、っ土方さん…?」
「雨で、体冷えてんだよ。少しだけ、良いだろ、?」
と相手に抱きつきながら耳元で囁くように言った。