第2章 短篇~中篇くらいのもの/本編パロ
沖田オチ
「んぅ、寒い…っ」
そう、一言溢して雪乃はけたたましく目覚ましがなるにも拘らず、布団にもぐりこむ。
今、江戸は冬真っ盛り。そのため、朝はとてつもなく寒く、ストーブを付けようが、湯たんぽを入れようが意味が無い。すると、襖がスパン、と音を立てて沖田が入ってくる。
「御嬢ー、そろそろ朝ですぜぃ…って。何やってるんですかぃ。そんな、芋虫みたくなって。」
「んー、寒くて…布団から出たくない…」
そう小さく、呟けばまたさらに奥へと雪乃はもぐりこんだ。
「…ハァ。御嬢ー。起きないと朝ご飯なくなりますぜぃ?」
「……。」
「無視ですかぃ。それなら、強行手段でさぁ。」
そういって、沖田は雪乃の布団へともぐりこむ。
「ちょ、っ!総悟さ、…!」
慌てる雪乃をよそに、沖田は吐息が耳元にかかるくらいの近さで、囁くように、言った。
「此れなら、寒く無いだろぃ?」
そして後ろから、そっと抱きつく。
「…この、ドS」
雪乃は、真っ赤になりながら呟くように相手に悪態をついた。
「そりゃ、どーも。最高の褒め言葉ですぜぃ?」
沖田は、意地悪そうな笑みを浮かべる。
「…卑怯だよ。」
はぁ、と溜息をつく寒い朝。