• テキストサイズ

【ハイキュー】ウシワカイモウト第三部

第14章 ・牛島兄妹、双子と邂逅 その2


「そもそもチームの方に広めるのはご勘弁ください。」
「え、何で。」

恐ろしいことに宮兄弟は揃ってしれっと言った。

「自分まさか知らんの。」
「言いそびれたけど牛島君いつだったかのネットの記事で、文緒ちゃんの話、しててんで。」
「休みの日は妹と過ごすようにしとるとか何とか。」
「ああああ、何て事っ。兄様っ。」
「俺は聞かれたから答えただけだ。」
「そういう問題ですかっ。」
「ちゅうわけで既に牛島君のシスコンは全国レベルでバレとるから今更ってことやなっ。」
「あとうちの主将は興味なしやから大丈夫。」
「そこも違いますっ。」
「文緒、公衆の面前で騒ぐのは良くない。」
「これは抗議すべき事案です。」
「そうなのか。」
「兄様。」

文緒はがっくりと肩を落とし、宮兄弟は機嫌がいいのか2人してつやつやしている。

「ところで」

ここでふと若利が言った。

「俺達はどこへ向かっている。」
「あー。」

ツムの方がそういえばと言いたげに反応する。
何も考えてなかったのかなもしかしてと文緒は思ったがそういう自分だって確認しなかったので同罪だ。

「何も考えてへんかったんかい。」
「サムうっさい、お前も何も言わんかったやろが。まぁ何でもええわ、せっかくやから」

すぅと伸ばされたツムの長い腕、

「あそこ行こ。」

指し示されたのは通りの向かいにあるゲームセンターだ。

「あら、ゲームセンターですか。初めてです。」
「マジで。牛島君あかんのとちゃいます、嫁閉じ込めっぱなして。」

ヘラヘラと半分おちょくったように笑うツムに若利はもれなく主張する。

「まだ嫁じゃない。」
「ブレへんですね。」

サムの方がぼそりと突っ込むが若利はそこには言及しなかった。

「それより文緒をあそこに連れて行くのは推奨しない。」
「あら兄様、心外です。別に危ない方と喧嘩などしません。」
「そういう話じゃない。」
「せやせや、そない固いこと言わんと。」
「お嬢様の社会勉強言うことで。」
「いやそういう話でもない。」

若利は微妙に抵抗するも何も知らない宮兄弟はええからええからと強引に若利を引っ張り、必然的に文緒もそのままついていく形になる。

「これだけは言っておく。後で苦情は受け付けない。」

重々しく若利は言う。
/ 96ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp