第8章 ・不思議な8月13日
「ごめんお前らちっと待っててー。」
「おおいお前なぁ、マイペースにも程度ってもんがあんだろっ。」
「しょうがねぇなもう。」
母畑が呆れ、二岐丈春が苦笑する中文緒は照島に引っ張られて店に入ったのだった。
何かまた妙な事になったと文緒は思う。まさか一度事を構えた照島が義兄のプレゼント購入に付いてくるとは予想しようがない。若利が聞いたら何と言うだろうか。
「で、」
照島が明るく言った。
「ロリちゃんは何買うつもりなワケ。」
「先日も申し上げましたが私はロリータではありません。」
「どう見てもロリじゃん。」
「ご勘弁くださいな、学校でもロリ嫁だの牛島ロリだの言われて困ってます。」
照島は吹き出した。こればかりは責められない。
「言われてんのか。」
「皆好き勝手で困ります。」
「てか嫁っておかしくね。」
「兄があまりに私を構うもので。」
実は義兄妹である事を言っていいものかわかりかねた文緒は嘘ではない事を口にしたが照島を正直侮っていた。
「嘘つけ。」
「あら何てこと。」
「前から思ってたんだよなー、ロリちゃんって本当にウシワカの妹かぁ。」
「どうしてでしょう。」
言いつつも文緒は来たかと思う。
「だってよ、顔全然似てねーじゃん。」
ぶすっとした顔で言う照島に文緒は仕方がないと判断した。
「妹なのは本当です。ただ私達は義理の兄妹です。」
大抵の奴がそうであるように照島の目が丸くなった。マジでと呟く彼に対しに文緒は頷く。
「両親が亡くなったので私は牛島の家に引き取られました。」
照島はフォオオオオと反応する。