第5章 ・片仮名語
「元から入れられている機能は使ってないものが多いです。消したくても出来ないのでなかなか難しいものですね。更新も頻繁にありますし。」
「若利君に教わったりしないの。」
「兄様はあまりそういう人ではないので。他の人に聞くか検索した方が早いことが多いです。」
「何なら俺が」
「助かります。でも天童さんのは基本制御をするしくみが私と違うのでは。」
つまりオペレーションシステムが違うと言いたい訳だがをそこまで無理して言い換えるか。終い目に天童がキエッとばかりに叫んだ。
「若利君には悪いけど心へし折りたいっ。」
「それは排球の試合の時だけでお願いします。」
「バッキバッキにしてやるっ。って、ああああああっ。」
はたでずっとこんなやりとりを聞かされていた文緒の友がボソと今日も平和にうるせえなあと呟いていた。
そして天童はヌガーっと部室で喚いていた。
「あのロリッ、全然折れねーっ。」
「うちの文緒はドローレスじゃない。」
「若利、突っ込むとこはそこじゃねえ。」
ボケるつもりはなくボケる文緒の義兄に瀬見が突っ込む。
「天童もうるせーぞ。」
「だって英太君せめて一矢(いっし)っ、一矢報いたいじゃん。」
「何言ってんだお前。」
「天童さんにここまで言わすなんて文緒は凄いですね、牛島さんっ。」
「ああ。」
「若利、そこも普通に頷くとこじゃないぞ。」
突っ込まざるを得なかったのだろう、大平がため息をつく。
「あと1日か。」
白布が呟いた。
「バレーの事じゃないからすぐ飽きると思ったけどな。」
川西も呟く。
「つか若利いいのかよ。」
山形も口を開いた。
「このところ天童がロリ嫁のストーカー始めたって噂立ってんぞ。」
「根も葉もない噂だ、放っておいて問題ない。それと文緒が言うには天童にこれで負けるのは何となく癪に触るものがあるらしい。」
「お前の嫁のその無駄な意地は何だよ、大丈夫なんか。」
「まだ嫁じゃない、体調は悪くない。」
「そこじゃねーよ。」