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【ハイキュー】ウシワカイモウト第三部

第5章 ・片仮名語


そんな感じでもともと天童は3日ほどと言っていたが実際それくらいこのしょうもない勝負は続いた。

「あの」
「何ヨ。」

別の日、昼休みの中庭にて文緒は困惑していた。文芸部の友と昼食にしている所に何故か天童もいる。

「どうして天童さんが。」
「俺がいちゃ駄目な訳。」
「そうではないのですが理由がわかりません。」
「勝負はまだまだこれからだからねー。」
「もしや私が油断したところをまたもつこうというお考えですか。」
「そーとも言うカナ。」

はたで話を聞いていた文緒の友がそーとしか言わないと突っ込むが天童はにこにこしながらあえて聞き流している。

「天童さん、流石にやりすぎでは。その、」

文緒は危うくここでストーカー扱いされていると言いかけたのだが何とか堪えた。

「付きまとい扱いされていますよ。」
「またうまいこと回避しちゃってなかなかやるねえ、幼女ちゃん。」
「あんなのばっかり言われるんだけど。」

文緒はどう思うと友にお伺いを立てると友はまあ天童先輩だしとこれまたなかなかの返事だ。天童は何とでも言えとばかりにやはり笑顔のままパンをもしゃもしゃやる。女子生徒2人の間にでっかい野郎が挟まれている、正直ものすごい図だった。

「そーいや文緒ちゃんあれには慣れた。」
「どれでしょう。」
「ほらこないだ機種変したじゃん。」
「ああ、多機能の携帯にした話ですね。」

これでも駄目かと天童は舌打ち、横で聞いている文緒の友は笑いを堪えている。

「とりあえず通話と電子手紙と写真撮影と情報の閲覧は慣れてきました。」

Eメールはつまりelectric mailの事だからあながち間違ってはいないが電子手紙と無理矢理表現するあたりが文緒たる所以だろうか。

「粘るねえ。」
「付きまといを始める方ほどでは。」
「お友達がひどいんだけど。」

文緒の友は幼女呼ばわりの他にも何か言ったのではと返して卵焼きを食す。

「じゃあ他は。」

後輩、それも他の部のに好き放題言われても天童は気を取り直して更に粘った。所謂スマホ関連なら片仮名語を使わずにいられるのも限度があると踏んだらしい。一方文緒も譲らない。
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