【男主人公】勝生勇利とセックスしたいだけ【R-18】
第3章 犠牲の代わりといってはなんだが
デトロイトにスケート留学していた時のことである。その日はちょうど用事でピチットくんが部屋にいなくて、1人で暇を持て余していた。何しようかなー、たまにはSNSでも見ようかな。なんて携帯を手にした瞬間、着信音が鳴った。非通知からの着信である。誰だかわからないし、心当たりもないが、なにか重要な内容だったら困るので普通に応答した。
「Yes?」
「、ハァ、、ハァ、」
「!?」
驚いて思わずスマホから耳を離す。なんか聞こえた。男の人の荒い息が聞こえた!驚きすぎて電話を切ることすら思いつかずそのまま固まっていると、小さく自分の名前が聞こえた気がした。
「ハァ、勇利ぃ、」
「……もしかしてハル?」
完全に聞き覚えがある声だった。なにやってんだこの恋人は。いくら数年間触れ合ってないからってこの電話は気持ち悪すぎる。走って、とかなにかヤバイことがあって、とかじゃない。この荒い息は完全た欲情した時のハルの息遣いだ。
「うん、おれぇ」
「なにしてんの」
デロデロに甘ったるくなった声にため息をつく。酔ってるんだ。
「お酒のんでぇ、シコろうとしてぇ、勃たなくて、」
「貴重な海外通話の回線を変な電話で消費しないで」
「勇利の声聞いたら勃つかもぉってぇー」
馬鹿じゃないのか。九州男児のくせにたいしてお酒に強くないハルは、それなりの量飲んだだけで結構べろんべろんに酔ってしまう。出先とかじゃないだろうな。外で変なことやらかしてないか心配すぎる。
「今どこいるの」
「んんー、ここどこ?」
「ちょっと」
「MGM?」
「……え?」
「んー、わかんない」
なんか聞いたことある、ような?長谷津じゃなくて……デトロイトの……。……えっデトロイト?
「MGMってホテル!?グランドデトロイト!!?」
「それかなぁーー。デトロイトなのはあってる。うふふ」
うふふじゃない。何しにきてるんだコイツ!!もう夜も更けてきているから、会いに行くにも無理だ。デトロイトは治安が悪すぎるので有名だからのこのこ出歩けないし、さすがに自分がいる寮からは少し距離があるから、足を確保するのも大変である。
「勇利に会いにきたんだけどぉ、酒飲んだら美味しくってぇ」
本当に犯罪に巻き込まれなかっただけハルは幸運だ。ほんともう、なにやってるんだか。
→続く
