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君と私と(非)日常

第32章 最後の一欠片


ふと、希灯の方に目を向けた。
希灯は浜辺のパラソルの下で昼寝中の七海に寄り添いつつ、狛枝と楽しげに会話をしているようだ。
「……」
七海とも狛枝ともかなり早い段階で希望のカケラが埋まったから、もう長いことまともに遊んでない気がした。
2人とも話が噛み合わないことも多かったけど、何だかんだ一緒にいて楽しかったんだよな……。
せっかく仲良くなれたのに、最近は疎遠気味だ。
修学旅行を終わらせるためとはいえ、希望のカケラさえ埋まればそれ以降が疎かになるってのはなかなか寂しいシステムにも思えた。
「(ビーチバレーが終わったら2人にも話しかけてみるか……)」





ビーチでの全員との交流は良いリフレッシュになった。
「(良い変化に繋がるといいんだけどな……)」
翌日、俺は希灯を自分のコテージに誘った。
ベッドの縁に隣り合って座る。
2人でロケットパンチマーケットから持ち出したアイスを食べながら、変化への期待が交じりつつも惰性で適当に駄弁って過ごしていた。
ふいに会話が途切れ、しばしの沈黙が流れる。
何てことない静けさにほんの少し気まずさを感じた。
「…………なぁ、希灯」
『何?。』
「希望のカケラが埋まらない理由について考えたんだけど、もしかしたら俺たちの関係が進展してないのが原因かも……しれないなって」
あくまで推測だけど、と付け加える。
『関係の進展って?。もう友達としては結構親しい方だよね?。』
希灯は不思議そうに首を傾げた。
「そうだよな……そうなんだよな。俺もお前とはかなり仲良くなれたと思ってる。けど、何ていうか……他の女子と最後のカケラが埋まったときって、大抵……ちょっと、もっと浮わついた雰囲気になることが多かった、というか……」
『浮わついた雰囲気……。』
希灯が訝しげに俺の言葉の一部を反復する。
『つまり……私が日向くんに恋愛感情を持ってないからカケラが埋まらないんじゃないかって?。』
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