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【アドルフ】レインハード【テラフォーマーズ】

第2章 アドルフ・ラインハルト


何が起きてるのかもわからず
そのままひと気のない教室まで
連れてこられた


「あのっ…はぁ…アドルフくん…!?」

「ごめん急に」

「あ…思い出してくれたの?」

「ああ、施設の話をされたら
そりゃあ…

まさか生きてあそこを出て生活してる奴が
いるなんて思わなかったから」

「あぁ…私はね、手術すら受けられなかった体だから
あそこには必要なかったのよ」

「受けられなかった?」

「うん。私の体に適合する生物のDNAがなかったみたい」

「…いや、あの施設に限ってそんなこと…
たとえ成功率が1%しかなくても
実験的に手術は受けざるを得ないはずだが…」

「え?…でも私…受けてないよ?」

「…そうか
まぁ、それならそれで、よかった

生きてるだけで よかった」


彼は私をそっと抱きしめた


「え…っと、アドルフくん…?」


突然のことで戸惑う

背の高い彼が
少しかかんで
私を抱きしめる

彼の前髪が顔にかかって
くすぐったい

嫌だなんてまったく思わない

ずっと探してた人だから

ずっと会いたいと思ってた人だから

彼の顔はあの頃と比べると
傷が格段に増えていた

口元はひどい火傷の跡で裂けて
とても痛々しかった

毎日、毎日
実験を繰り返された結果だ



「」


「はい?」


「俺、今はあの施設で働く代わりに
わりと自由に生活できるようになった」


「…うん」


「俺…よくあの図書館にいるから…」


「うん」


「気が向いたら…」

「毎日会いに行くね!」



「え?」

「もっとアドルフくんとお話ししたいから
いっぱい会いに行ってもいい?」

自分でも大胆なことを言ってると思う
こんなこと言う子じゃなかったはずなのに…
自分でもびっくりしている


彼は最初に見た
悲しそうな顔ではなく

優しい笑顔で
コクンと頷いた









密かにローザに感謝します
彼と引き合わせてくれたことに。


今でも感謝してる。
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