第2章 アドルフ・ラインハルト
私たちは四班救出に向かった
他の班はどうしてるだろうか…
SOSがないということは無事では
いるのだろうか
そんなことを考えているその時だった
他班からの連絡が入った
「…はい
こちら第五班アドルフ」
「アドルフ!無事か?
こちら第二班ミッシェル」
「つい先ほどテラフォーマー1体の襲撃にあい1人死亡
そちらは?」
「ああ、こっちは運良くやつらがいない
ところに降りれたようだ
無事だ」
「それはなによりです
こちらは今四班の救出に向かっているところです。
1番近いので」
「ん?四班?なにかあったか?!」
「…四班からSOSが」
「SOS?…こっちにはきてないぞ!
きてるのは一班と六班のSOSのみ」
「どういうことだ…?
こっちには四班のSOSしかきてません」
「…なんだ…?嫌な感じがする…
大至急アネックス本艦に戻れるか?
頼んだぞアドルフ
…他の班よりも早くだ」
「…了解です」
アドルフくんとミッシェルさんの会話
なんだろう…何か様子がおかしかった
SOSがバラバラ…?
機械の故障?
みんな不安になり始めてる
私もさっきから
体の震えが止まらない
私たちはアネックス本艦へと
戻ることになった
あの、テラフォーマーの大群が
びっしりと張り付いていたアネックス1号…
あそこを奪われてしまっては
火星での任務をこなすのは厳しい状況になる
雨は一層激しく降り始めた
脱出機を走行型に変形させ
車を走らせる
あたりは暗くなり始め
夜が訪れようとしていた
地球のゴキブリは夜に活動が活発になる
もし、火星のゴキブリも
同じだったら…
降り続ける雨が
不安を一層煽った
ピコーン
という電子音
モニターを確認すると
前方に第四班の脱出機があった
…こちらにむかっている?
運転しているということは
…生きていた!
みんなこころの中で少しホッとした
しかし、何か様子が変だ
四班の脱出機はスピードを緩めず
そのままこちらに突進してきた
「なっ…!?」
衝突され私たちの脱出機は
坂を滑り落ちていってしまった
「きゃぁぁぁ!!」
車内は悲鳴混じりの声が響き渡る
何が起きたの!?
みながそう思った瞬間
イザベラが一言
「…まじかよ」
と、乾いた笑いをした