第2章 アドルフ・ラインハルト
数日後
私は1人U-NASAドイツ支局へと
向かう
アドルフは朝早く出て行ったので
すでにここにいるだろう
彼に会いに行ったのではない
あの時の
私の手術を担当したという
あの女性に会いに…
正面の入り口から入ると
受付にいた女性と目があった
そしてどこかへ電話をかけ始める
私が声をかけようとした時
「・さん?」
と、先に名前を呼ばれた
「…はい。あの…」
「話は伺っております。こちらへ」
受付の女性はそう言うと
私は奥の部屋へと案内された
そしてある部屋の前で立ち止まり
ノックをした
「失礼します
・をお連れしました」
「おー、入れ」
中からは女性の声
私は背中を押されるように
部屋へと足を踏み入れた
そこにいたのは
まさに私が会いたかった人物
なぜ?
私が今日くることなんて
伝えていないのに
まるで
必ず来ると思っていたかのように。
背中を向けなにやら資料を見つめている
女性に声をかけた
「あの、私…
今日はあなたに伝えたいことがあってきました」
イスに座ったまま
くるっとこちらを振り返る女性
「まぁいつか来ると思ってたよ
案外早かったな」
「はい…えと、この前の火星の話なんですが…」
「そうだ!ようやくマーズランキングが
発表されたんだか、聞くかい?」
の言葉をかき消すように
女性を話した
「マーズランキング?」
「”火星環境下におけるテラフォーマー制圧能力”
それを各国の乗組員に格付けしたものだ
定員100人の宇宙艦だから
当然、100位まであるが…
アドルフの順位は
何位だと思う?」
突然そんなことを聞かれても…
と、戸惑った
アドルフくんはこのドイツ支部の
乗組員の班長に
この間任命されていたし…
戦ってるところは当然見たことない
から強いのかと聞かれたら
正直、わからない
デンキウナギの能力も
詳しくは知らない
「順位…ですか…
班長をやるくらいですから
15…20位くらいには入りそうですね」
私の言葉がおかしかったのか
女性は盛大な笑い声をあげる
「あいつは
マーズランキング2位だ」