第2章 抱いた気持ち~家康s~
「聞きたい事があるんです」
そう告げると、若干驚いた表情をされたけど
直ぐ様嬉しそうに
「何でも相談に乗るぞ」
と微笑みながら返事をされた。
俺にまで兄貴気質?やっぱムカつく。
「相談じゃなく聞きたい事です」
俺のこの苛立ちの理由を確かめる為には
必要な事な気がした
.......凄い癪だけど。
立ち話も何なんでと、秀吉さんの御殿に招かれた
俺の前には、何故かお茶までたて始めている
秀吉さんの姿
何の為にここまで来たのかが
不明瞭にされそうなこの空気感
この人は、本当に......
そんな事を思っていると
秀吉さんが飼っている
猿のウリが俺の側にやってきた。
「こーら、ウリ、イタズラするなよ」
何時もの優しい微笑みで、秀吉さんが語りかけると
ウリは不思議そうな顔で俺を見てから
秀吉さんの膝の上に乗る
お茶をたて終えた秀吉さんが
スッと俺の前に茶を差し出し、
空いた手でウリの頭をちょんちょんっとつつく、キキッと小さく鳴いて、秀吉の指を持ち、すりすりと頬擦りするウリ。
黙ったままその様子を眺めてた。
甘やかすってこーゆう事?
甘やかされたいって、あいつは言ってた。
どうすればあいつは満足する?
「で、聞きたい事って?」
差し出された茶をくっと飲み、覚悟を決める。
すんごい癪だけど・・・・