第57章 忘却の輪舞
各々の顔を見渡しながら
こほんと、一つ咳払いをし
「兎も角、皆さん見た目こそ何時ものリオさんであれど、中身は子供なんですからね。対応には十分ご注意下さい。何事にも、子供ってのは、感受性豊かですから」
そう告げれば
「任せろ、佐助。子供と言えど、女人である事には代わり無い」
信玄が微笑む
「お前の節操の無さは、女人であれば、童子にまで有効なのか」
やれやれといった様に謙信がため息をつく
「それは違うぞ、謙信。ご婦人であろうが、童子であろうが、女性全般の話だからね」
「信玄様、それ威張ることじゃねーっての」
三人のやり取りを見つめながら
果たして大丈夫なのだろうかと
一抹の不安を覚える佐助。
すやすやと寝息を立てるリオには
および知らぬ話でありました。