第15章 Let's Go海水浴4~オール~
「ちゃらららっちゃっらー!」
突如砂浜の中央で、佐助君が声をあげた
「スイカ割りー!」
スイカを抱えた信玄さんと佐助君が、いそいそと準備を始める、一つ違うのは、割るんじゃなくて、切るようだ。棒では無く刀で。
それ、危なくない?
二人とシートの上のスイカを囲むように、円陣が、出来た
「後々説明はしますが、誰か挑戦者は居ませんか?」
佐助君が皆に声をかけると
真っ先に政宗が名乗りをあげる
スイカから10メートル程の場所に移動し、目隠しをされ、くるくると体を回される政宗
「はい、このままさっきのスイカを割って来て下さい!」
佐助君が声をかけると、一歩一歩、刀を構えたままの政宗が歩を進める、もう少し右だーとか、そのまま真っ直ぐーなどの声が飛んでたが、その足取りが突然ぴたっと止まった。
「???」
くるりと踵を返した政宗が、今度は刀を下ろしたまま、すたすたとこちらに向かって帰ってくる。
「政宗様?スイカはこっちじゃありませんよ?」
「何やってんだ、あの独眼竜」
わーわーと、各自が声をかける中
「政宗?どーしたの?」
私が声をかけた瞬間、こちらに向かって政宗が斬りかかってきた、正確には、私の横に居た謙信様目掛けて
「きゃっっ!」
ガキンッ.......と刀同士がぶつかる音が浜辺に響く
私は気がつけば、謙信様の腕の中。
左手で、私を抱きしめ、右手に持った刀で、政宗の刃を受けた様だ
「.....流石だな上杉謙信」