第9章 night&day
「おーおー、朝っぱらから仲の良い事で」
居る筈の無い人の姿がそこに。
「.....何処から湧いて出たんですか?政宗さん」
明らかに、不機嫌になる家康の様子など、気にも止めてない政宗は、ずかずかと部屋に入ってきて、腰を卸す
「リオの怪我に効く薬草を持ってきた、それと、信長様からの取り急ぎの伝令があってな、お前も、動いて貰う事になるだろうな。龍が生きてるらしい」
「上杉謙信が!?」
歴史の授業で習った事がある名前、確か軍神って呼ばれてた筈の人、私たちがこの世界に来てしまって、時代が歪んでしまった事が関係してるかもしれない、家康の驚きからすると、あまり良い話では無いんだろうな
こくりと、息を飲む
ここは戦国、気を抜いて良い筈の時代では無い
それは十分分かってる
でも、分かったつもりかもしれない
事はもっと深刻で
私のした覚悟なんて、自覚なんて
何の役に立つ代物でも無いかもしれない
ただ......
家康の邪魔には成りたくない
彼への気持ちを自覚した今
邪魔になる様な事は避けたい