第57章 忘却の輪舞
泣き疲れて寝てしまったリオの姿を確認しつつ
優しく髪に指を這わせる佐助の姿
その様子を、面白く無さそうに見ている謙信達
完全にリオが寝入った事を確認した佐助が
改めて皆に向き直った。
「さて、何処から説明しましょう?」
佐助の発言に、一番に反応したのは謙信
「とりあえず、お前をまず真っ先に叩き斬る所から始めようか」
ゆらりと立ち上がりながら
すらりと刀を抜き放つ
「俺が叩き斬られれば、何の解釈も出来ませんが?それでも構いませんか?」
謙信を見つめつつ、落ち着いた様子で、しれっと言い放つ佐助
「まぁ待て、謙信。とりあえず、佐助の話を聞いてみてからだ、叩き斬るのはそれからでも遅くないだろ?」
信玄がそう告げれば、不満げな表情ながらも再び刀を鞘にしまい、どかりとその場に謙信は腰を下ろした。