第57章 忘却の輪舞
「ちょっ!信玄様!」
「やはりお前は今すぐ叩き斬る」
殺気立つ二人の雰囲気にびくりとリオが体を震わせ
「っ.......にいにっ!さすけにぃにっっ!!!!!!!!」
信玄の体を押しながら泣きながら叫んだ
「呼ばれて飛び出て、にいに参上っ」
天井裏の板を外し、佐助がリオの側に降り立つ
佐助の姿を確認したリオが
すかさず彼に抱きついた
「も、怖かったよぅ......」
泣きながら佐助にすがり付くリオの姿を見ながら
呆気に取られる謙信、信玄、幸村の三人。
「とりあえず、謙信様、その殺気をどうにかしてください。彼女が落ち着いたら、僕からちゃんと説明しますから」
リオを抱きしめつつ、背中を撫でながら
佐助が皆を嗜めた。