第55章 Two sides of the same coin 4
「来い、良いものを見せてやる」
そう告げ、手を伸ばせば
ゆっくり布団からリオが出て来た。
抜け出した後の掛け布団を、きちんと整え、恥ずかしそうにしながらも、こちらに近付いて来る。
程なく手が届く距離まで近付いて来たリオの腰に手を回し引き寄せ
「外、見てみろ」
そう声をかけ、顎で外の景色を見るように、促す
「うわぁ..........」
見下ろす景色に光る
一面の蛍の群れ
緩く点滅しながら、光の帯を纏い
各々が自由に飛び回っている
「凄い.....綺麗......」
うっとりとその様子を眺めているリオの横顔を見ながら
「そうだな」
お前がな。
心でそう思いつつも、本音は隠して
リオの横顔を見つめながら、そう告げた。