第52章 Two sides of the same coin~R18
乱れた着物を着付け直してやっていれば
押し黙ったまま、少し寂しそうに唇を結んで居るリオ
「出来たぞ」
彼女の頬に軽く掠め取る様
唇を寄せ、そう告げれば
「ありがとうございます」
少し悲しそうに微笑むリオ
そう、何時も俺達はここまで。
彼女の言わんとして居る事は分かっては居る
ただ、後ひと押し
明確な言葉での、おねだり
彼女の口からその言葉が出るまで。
そこがまだリオの中で羞恥心として
燻っている今は
その時では無い
散々羞恥心を煽っておいて、それ以上を望む
自分の欲深さ
俺自身、かなり限界に近いのだが
俺を求めて止まない気持ちが、羞恥心を越えるまで
其程に、俺を欲して欲しい
自虐とも取れるこんな事を続けて居る
歪んだ自分の心に、ほとほと自身も呆れる。
「これから所用で城を二日程空ける、帰城は三日後だ」
そう告げれば、寂しそうにこくんと頷き
「お気をつけて、いってらっしゃい」
と、だけ告げリオは俺の部屋を後にした。
まさかその三日後に
あんな事態に陥ろうとは
この時の俺は知るよしもない...........